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これはフランスの偉大な哲学者、ジャン・ポール・サルトルの言葉です。
言葉の意味はだいたいこんな感じです。人間は神のような創造主によって「何が自己の本質か」「何を人生の目的とすべきか」を与えられて生まれてきたわけではない。従って人間は自己を自由に創造できる。しかし、自由であるということは、孤独と自己責任を伴う、大いなる苦しみにもなり得る。言い換えれば「人間は自由という刑に処せられている」のである。
のっけからわかりにくい話でスイマセン。要は、会社員とか公務員とかの“組織人”であった時は、組織の計画やモラルに従っていれば良かったし、誰かに命令される、命令するという関係で良かった。しかし、いざ組織を離れると「もうあなたは自由なのだから、好きにしていいよ」ということになる。ところがこの「自由」というのがなかなかクセモノで、いざとなったら何をしたらいいかわからない。
再就職して、なるべく長い間“組織人”として生きるという選択もあるでしょう。しかし、いくら頑張っても必ず終わりがきます。だいたい、シニア世代がいつまでも組織にいたら、若い人が迷惑します。江戸時代には「隠居」というありがたい制度がありましたが、核家族化した現在、子供を頼っての「楽隠居」などできるわけもなく、ほとんどの人はわずかな年金に頼って、家族に疎んじられながら、日々退屈を持てあますことになるのです。
このウェブマガジンは、近々組織人を卒業する人や、卒業した人が自らを“リセット”し、「自由人」として今後の人生を楽しんでいただくための水先案内のようなものです。高齢化社会だの、老後の蓄えだのと、政府やメディアは不安ばかりをあおりますが、明日の事なんて誰にもわからないのです。大切なのは今。そして過去を捨て去る勇気。もう一度自分を「再創造」し、チャレンジしなければ、明日の希望など決して見えてきません。
特集記事では人生を“リセット”した実例や、一個人として楽しく自由に生きるためのさまざまなヒントを提供していきます。趣味に没頭するも良し、事業を始めるも良し、技術を習得するも良し。50代、60代で新しいことを始めるのは、苦労もありますが、楽しみの方が遙かに大きいと思います。
私自身、完治しない糖尿病と付き合いながら“50の手習い”で覚えたホームページを糧に、貧しいながらも日々楽しくやっております。老後の蓄えも面倒を見てくれる妻子もありませんが、恥ずかしいとかみっともないなんて感覚は全然ありませんし、不安もありません。もともと何も持たずに生まれてきたし、何も持たずに死んでいくんです。それに社会人としてはダメな見本なわけですから、ダメでもともとじゃないですか。どうです?皆さんも一緒にやりませんか?植木等ではありませんがお金も世間体も家族の反対も「気にしない、気にしない。バァ〜っと行こう」ではありませんか。あなたの人生、あなたが主役なんですから。(編集長・紺野雅之)