第三章:意外に穴場?神戸の避暑地

空中で楽しむ10分間の絶景

 このレポートもいよいよ最終日。冷房のきいたホテルの窓から外を見て「きょうは少しは涼しいんじゃないか」なんて期待したのもつかの間、ロビーを出た瞬間、朝からクラクラする暑さ。せっかくパロレッタのボーダー柄を着てクールな装いのワタシ(さりげなく宣伝してます)、神戸にどっか涼しいところはないの?

 北野異人館、南京町、旧居留地、メリケンパーク、ポートタワー、ハーバーランドなどなど、神戸には数え切れないほどのいろんな観光地がありますが、ワタシ、あんまりエアコンが得意な方ではないので、できればナチュラルに涼しい場所がお好みなのです。でも、市街地でエアコンに頼らない自然の涼しさを求めるとなるとちょっと難しいですよね。

 それならばと“神戸通”の友人に勧められたのが、街の中心部からほとんど歩かずに30〜40分程度で移動できるちょっとした避暑地。「そんな都合のいい場所があるわけないでしょ」と思ったらあったんです。それは「神戸市立布引(ぬのびき)ハーブ園」。地下鉄三宮駅から新神戸駅(乗車10分)で降りて徒歩5分、時間に余裕のある方は三宮駅からシティループという周遊バス(市バスもあり)に乗って北野坂や異人館の景色を楽しみながら約20分、ロープウェイ乗り場で下車、そこからエレベーターを乗り継いで徒歩5分。そのままロープウェイに乗れば、10分ほどでハーブ園山頂駅に到着。ね、本当に歩かずに行けるでしょ。

←写真上から布引ハーブ園に向かうロープウェイ、布引の滝、山頂レストハウス、爆睡するニャンコ♡

 このロープウェイ、実際に乗ってみると、とにかく眺めが最高なんです。ポートアイランドや神戸空港まで、神戸の市街地と海が一望できます。しかも、途中で日本三大神滝のひとつ、布引の滝や日本最古のコンクリートダム、布引五本松ダムを真上から眺めることもできるんです。春には桜が、秋には紅葉がきれいなんじゃないかな。どんな季節でも晴れた日なら歓声が上ること間違いなし。

 途中、「風の丘中間駅」を経て山頂駅に着くと、真夏なのに爽やかな風。市街地より気温が2〜3度低いのがすぐにわかります。そして改めて市街地を見下ろすと、神戸という土地が前は海、後ろは山に挟まれた、かなり狭い土地を巧く使って発展してきた街だということがよくわかります。ポートアイランドや神戸空港は埋立地ですから、それ以前はもっと狭かったはず。とりあえず到着記念に、季節の花をバックに写真を撮っていたら、鉢植えの上に何か毛の生えたものを発見。恐る恐る近寄ったら爆睡するニャンコでした。陽射しが眩しいのかお目々を肉球で隠して、起きる気配全くなし。やっぱり涼しいから気持ちいいのね。

優しい香りに包まれて

 ドイツの古城「ヴァルドブルク城」をモチーフにしたという山頂の展望レストハウスには、レストラン、カフェ、ショップとなんでも揃っています。もちろん、主役はハーブ。レストランではハーブを使った料理が、ショップにはハーブ関連のグッズが並びます。そこから森のホールという建物に向かう中庭でちょっとしたサプライズ。

 本来なら5月頃に咲くバラ。もう終わりの季節だと思うのですが、名残の花がちらほら。このお庭、ローズシンフォニーガーデンというそうです。やっぱり山の上で温度が低い分、まだ頑張って咲いてくれていたのね。ワタシが来るのを知ってて、迎えてくれたみたい(笑)。こう見えてワタシ、バラが大好きなんですよ。顔を近づけると、ほのかに甘くて優しい香り。やっぱり自然の香りっていいな。初夏か秋か、満開のときにもう一度見てみたいな。

 森のホールには「香りの資料館」なるものが併設されていて、さまざまなフレグランスの原料や抽出方法が展示されています。また、約80種類の天然エッセンシャルオイルを手にとって嗅いでみることもできます。大抵はいい香りなのですが、中にはかなり自己主張の強い香りもあって、ちょっと鼻がバカになったかも。

            写真上からローズシンフォニーガーデン、香りの資料館→

 そのまま、またロープウェイに乗って帰っちゃう人もたまにいるそうですけど、それはあまりにもったいなさ過ぎ。ここはハーブ園のほんの一部に過ぎません。なだらかな坂を徒歩で下って行くと、季節の花々と共に、さまざまなスタイルのお庭と出会えます。歩く途中で見つけた斜面一面に咲く朝顔や、その蜜を求めて飛び交う美しい蝶にも感動。こんな近くにこれほどの自然があるなんて、神戸って奥が深いわ。

        ↑ グラスハウスの手前にある「出会いの門」

眺望カフェでハーブティーを

 ハーブ園の遊歩道を下っていくと、途中で大きなガラス張りの建物が見えてきます。これがグラスハウス。寒い時期ならきっと嬉しくなるであろう大きな温室。でも、今は真夏なのでちょっと期待薄。「出会いの門」という記念写真スペースを過ぎてエントランスに入ると、ああ、良かった。中はバッチリ冷房が効いてます。

 建物の内部にはインテリアショップの一角のようなスペースが。これは、日常生活の中でハーブをどんなふうに使ったら良いかを教えてくれる展示で、ハーブ以外にも「スパイス工房」なんてのもあって結構飽きさせません。温室の奥にはバレンタイン発祥の地、イタリア・テルニ市から寄贈されたという「愛の像」があって、こちらもハート型の花の植え込みが美しい(たぶんカップル向けの)記念写真スペース。お母さんが子供を抱きしめるモチーフなのですが、ワタシも無理やり参加しちゃいました。結構溶け込んでるでしょ?

 2階に上るとそこは「ミントカフェ」。神戸おすすめカフェの一軒目。きょうはこちらでランチタイムです。定番メニューの布引スパイスカレーも布引ハーブバーガーも美味しそうでしたが、ワタシが選んだのは色とりどりの野菜とハーブが印象的なサラダのセット。これにハーブドリンクバーをプラスしてヘルシーランチ。このサラダ、一見ボリュームがなさそうに見えて、下の方にしっかりローストビーフが隠れています。これをパンに挟むと結構豪華なクラブハウスサンドの出来上がり。

 こちらのカフェに来たら、迷わずに窓際の席を選んで下さいね。神戸市街が一望できますよ。夜だったら百万ドルの夜景が楽しめそうだけど、夜は営業していないのが残念(10:30〜16:30まで)。

                         「愛の像」がある記念写真スペース ↓

 グラスハウスを出て、さらに遊歩道を下っていくと、涼しげな「滝のパティオ」や「オリエンタルガーデン」といったそれぞれに趣向を凝らした庭に出会えます。さらに下っていくと、「風の丘芝生広場」という開放的な空間が。

 ここのフラワー園には一面にひまわりが植えられていたのですが、残念ながら花はまだチラホラという状況。管理している方に聞いたら満開まではあと一週間ぐらいとのこと。全部咲いたらキレイでしょうね。一面のひまわり畑、ソフィア・ローレンの悲しい映画を思い出すなぁ。

写真上から「風の丘フラワーガーデン」のひまわり、「ノム コウベ」の店内と花のテーブル→

 この広場を過ぎると「風の丘中間駅」。今の季節なら往復の切符を買って、ここで再びロープウェイに乗って帰るというのがおすすめ。体力と時間が余っている方は、そのまま徒歩で下って布引の滝で涼むという選択も。いずれにしても、徒歩での上りは結構キツそうですが、下りは比較的楽だと思いますよ。

ピンクのクマさんは何者?

 再び「ロープウエイ乗り場」からシティループに乗って元町方面へ。一旦新神戸の駅前を通ってから三宮、市役所前、大丸(旧居留地)を通って南京町で下車。このシティループ、一日乗車券もあるので、3回以上乗り降りするならお得。

 久々に歩いた南京町の中華街は、以前の印象とはだいぶ違って見えました。街全体の装飾も結構派手になって、外国人観光客を狙っているのか、路面で売る商品が凄く増えたような…。良くも悪くも「観光地アピール」が強くなったような気がしました。

 そこから脇道にそれて、アーケードの元町商店街へ。こちらはあまり変わっていないような…。でも、今回改めて気がついたのは、この商店街の長さ。端から端まで1.2キロもあるそうです。三宮駅のアーケードから歩いたら、その倍はありそう。でも、2駅分ほぼ雨に濡れずにショッピングできる街って、ちょっと貴重じゃないですか?

 そのままアーケードを三宮方面に。大丸の交差点から三宮神社方面に向かって次の交差点を左折すると、左手にお洒落なセレクトショップが入った「神戸BAL ANNEX」というガラス張りのビルが見えてきます。エレベーターで4階へ向かい、花屋さんの奥のドアを開けて中庭に出て、さらにドアを開けると、そこが今回ご紹介する神戸カフェの二軒め「ノム コウベ」さん。

←ホテルケーニヒスクローネ神戸のロビーで

 こちらの“目玉”は何と言ってもフラワーアーティストのニコライ・バーグマンさんが手がけたインテリア。特に生花を贅沢に使った「花のテーブル」は、女子ならば一度は確保したいと願う超人気席。さすがにこちらは予約が入っていて座れませんでしたが、写真撮影はOK。ドリンク類は季節のフルーツを使ったフレッシュジュースやスムージーがメイン。体に良さそうなものを使っているので、都会生活に疲れた女子の心と体を癒やしてくれそう。

 カフェを出て大通りに引き返すと、突然目の前にピンクのクマさんマークの童話チックなビルが…。なんじゃこりゃ〜と思ってビルに入ると、甘い香りとともにゴージャスでメルヘンな世界が…。実はここ、神戸を代表する洋菓子店のひとつ、ケーニヒスクローネさんが経営するホテルなのでした。

 三宮駅前にこんな異次元な世界があるとは知らんかった…。でも、無理ないですよね。オープンが2013年ということですから、ワタシが宝塚歌劇団を退団する一年前。当時はそれどころじゃなかったし…。でも、今はフリーになったのだから、京都や神戸、大阪も含めて知っているようで知らなかった関西を再発見しないと。今回は初回ということでちょっと足下がおぼつかないレポートでしたが、次回からは皆さんに興味を持っていただけるような斬新な?テーマをご用意しますので、乞うご期待!(おわり)