第三章:旭山だけじゃないんです

AKBもおすすめ?

 実は取材日程の3日間のうち、初日の札幌は雨にたたられてしまったんです。せっかく眠い目をこすって早朝のフライトに乗ったのに…。しかも、小雨ならまだしも結構しっかりとした降り方。そこで当初の予定をすべてキャンセルして、新たな取材先を探すことに。でも、ガイドブックなんか開いてみても、なかなかインドアで楽しそうな場所ってないんですよね。ビールの醸造所なんか良さそうだけど、レンタカーを借りている都合上、誰かひとりは飲めなくなるし…。

←上から円山動物園の新アイドル、ミーアキャットの赤ちゃん(動画)、毛づくろい中?のトラ、放し飼い状態?のレッサーパンダ(動画)、ユーラシアワシミミズクと2ショット

 そんな時ふと思い出したのが、「雨の動物園 わりと穴場でしょう♪」という歌詞。これはAKB48が歌っていた『雨の動物園』という歌の一節です。雨の動物園って、動物たちが屋内にいる上に見物客がめっきり少なくなるので、じっくりと観察できるという話をどこかで聞いたことが…。北海道で動物園と言えば旭山動物園が有名ですが、札幌にも有名な動物園があるんです。それが札幌市円山動物園。

 日本で10番目に開園という、意外と歴史ある動物園。さすが北海道だけあって総面積224,780m²といいますから、東京ドーム4.8個分。その広大な敷地内に82種934点(2014年5月現在)もの動物が飼育されています。要するに、パンダとかコアラのように特に希少な動物以外はほとんど見ることができるということ。

 この動物園では、これまで同じペアから8頭ものホッキョクグマの赤ちゃんが生まれて(しかも双子が2回)、その度にアイドル誕生と話題になっていたのですが、その子達は道内の動物園などに引き取られて今はいません。その代わり、今年の7月にミーアキャットの赤ちゃんが2匹生まれて、当面はこの2匹がアイドル。取材した日にはまだ名前が決まっていなかったのですが、投票の結果、「まめ」と「もち」に決定。2匹合わせて「まめもち」? あはは、かわいい。

親バカでごめんなさい

 赤ちゃん2匹は元気いっぱい。懸命に穴を掘ったり、時々見張りに立ったりと、オトナのまねで大忙し。この日団体で来ていた園児さんたちも大喜びでした。実は私、最近ワンちゃんを飼い始めたんです。名前は「まめ」ちゃんならぬ「まむ」ちゃん。ロングコートチワワの女の子です。そのせいか、動物園の大きなトラを見ても「あっ、まむちゃんみたいなポーズ取ってる」なんて思ったり、元気に走り回るキュートなレッサーパンダを見れば「まむちゃんも元気にしてるかな」なんて急に心配になったり…。完全に親バカですね。

 雨の日ならではの特典? 普段ならお客さんで満員のはずの屋外ステージに、ポツンと佇む飼育員さんとフクロウを発見。以前フクロウカフェに行ってからすっかりフクロウファンの私、いそいそと歩いていって間近で拝見させていただきました。

 間近で見るとわわっ、凄く大きい!「このフクロウさんは何ていう種類なんですか?」と聞くと「ユーラシアワシミミズク」とのこと。世界で最大のフクロウの一種で、体長は50センチから70センチ、体重は3キロ近くにもなるそうです。フクロウとミミズクというのは日本だけの区別の仕方で、その違いは、お耳に羽があるかないかということ。羽根がある方がミミズク、無い方がフクロウなのだとか。知ってました?

 普段ならステージで餌に向かって飛ばせる“飛行訓練”をさせているそうです。できるだけ野生に近い感覚を保たせるため、いろんな工夫をしているのだとか。それにしても飼育員さん、こんなに重そうな「ユーラシアワシミミズク」を腕に止まらせたまま、一度も腕を下げずに平然とこちらの質問に答えていただいた上に、写真まで撮らせて下さいました。ちょっと大きくて怖かったけど、つぶらな瞳に癒やされました。

水族館に“はまり”そう!

上からおたる水族館海獣公園アザラシのショー、トドのショー(動画)、ナポレオンフィッシュ(メガネモチノウオ)のいる水槽、カメの太郎くんランチ→

 さて所変わって、今回雨降りでなくても行ってみたかったのが、前章でご紹介した小樽市鰊御殿のすぐ近くにあるおたる水族館。私、水族館がたくさんある東京に住んでいながら、行ったことがあるのは遠い昔のサンシャインだけ。以来、なぜか水族館に縁がなかったんです。今回ひさびさに行かなかったら、たぶんまた当分行かなくなるだろうということで、小樽市鰊御殿の撮影というスケジュールに、無理矢理組み込んでしまいました。

 おたる水族館は、もともと昭和33(1958)年に開催された北海道博覧会で「海の会場」だった施設。特にアザラシやトドのいる海獣公園は、風光明媚な祝津の入江をそのまま活かし、自然の中に見事に溶け込んでいます。しかも、海岸から野生のトドやアザラシが迷い込むことがあって、そのまま飼育されるケースもあるとか。さすが北海道! ワイルドだぜぇ(もう古いか)!

 この水族館、本館では約250種類5,000点、海獣公園には13種約150点が飼育されています。おっと、忘れちゃいけない。お隣には遊園地「小樽祝津マリンランド」もあるのですが、この日は見た限り、すべての遊具がお休みしていました。きっと土日とかになると賑やかになるんでしょうね…。たぶん…。

 そんなわけでひさびさの水族館、たくさんの発見がありました。海獣公園に行くには長〜い坂をダラダラと降りるのですが(帰りはエスカレーターがあるので安心)、そこに行くまでの風景がとてもきれい。茅ヶ崎のえぼし岩のような奇岩があったり、北の海独特の荒々しさも感じられます。海獣のショーはタイムスケジュールに沿って次々と行われるし、その度にすぐ隣の会場へ移動するので、結構飽きさせません。

 今回はアザラシとペンギン、トドのショーを見ましたが、アザラシはワンちゃんみたいで可愛いし、ペンギンのズッコケぶりもキュート。トドは近くで見ると凄い迫力。こんなに楽しい場所なら、もっと前から行けばよかった。これからは水族館に“はまる”かも。

 本館に戻ったら、ちょうどお腹が空いてきたので、早めのランチ。水族館内にある「ニュー三幸 おたる水族館店」さんで私が選んだメニューは「カメの太郎くんランチ」。もう、ビジュアルだけで即決しました。カレーの海の中にウミガメがいて、頭はハンバーグ、ヒレはウィンナー、尻尾はエビフライ、甲羅と胴体はオムライスという豪華版? 他にも「セイウチのツララちゃんランチ」なんてのもあります。どんなビジュアルか想像するだけでも楽しいでしょ。

ゴージャスすぎる?パフェ

←写真上から白い恋人パーク内のローズガーデン、ファクトリーウォーク、チョコレートラウンジの「大粒シャインマスカットと旬の葡萄パフェ」

 生き物ネタはこれくらいにして、今度は女子が北海道に行く目的のひとつ、スイーツの話。北海道のスイーツって凄くレベルが高いって思いません? お土産屋さんに行っても、白い恋人、生キャラメル、バターサンド、ポテトチップチョコレート、ドゥーブルフロマージュ、チーズオムレットと美味しすぎるスイーツがいろいろありすぎて、どれにしようか迷ってしまいます。

 そこで当初は予定に入れていなかったのですが、初日が雨ということで、今回は急遽インドアでも楽しめる北海道スイーツのテーマパーク、「白い恋人パーク」に行くことにしました。

 御存知の通り「白い恋人」は札幌市の石屋製菓さんが製造している代表的な銘菓。商品名の由来は、創業者がスキーを楽しんだ帰りに「白い恋人たちが降ってきたよ」と何気なく言った一言によるとされていますが、1968年にフランスのグルノーブルで開催された冬季オリンピックの記録映画「白い恋人たち」が元ネタのような気がするのは私だけでしょうか(「白い恋人」の発売は1976年)? フランシス・レイの美しいテーマ曲でも有名ですよね。ちなみに原題は「フランスにおける13日間」。邦題をつけた人のセンスに感服。

 そんな意地悪な疑問はさておき、この「白い恋人」、土産品の単品売り上げでは赤福餅(三重県)に次いで全国2位なのだそうです。道理であちこちに大きな看板が立ってると思いました。今回訪れた「白い恋人パーク」は、関連会社の石屋商事が運営。石屋製菓はサッカーJリーグの北海道コンサドーレ札幌のスポンサーでもあるので、パーク内には宮の沢白い恋人サッカー場という練習場も併設しています。

 実際に行ってみた感想は、まさに「おとぎの国」。建物の印象はいかにも作り物という感じなのですが、よく手入れされた花いっぱいのローズガーデンや製造工程を見学できるファクトリーウォークは、そこで仕事をしている人たちのプライドが感じられて素敵。また、チョコレートの歴史やアンティークカップの展示は、ここでしか見られない貴重なものばかりです。

 当然、自社商品の物販がメインなのですが「お土産は全部空港で」と決めている私はスルーして、からくり時計塔の正面にある「チョコレートラウンジ」へ。そこで順番を待つ間、ショーケースを見た私は思わず一目惚れ。それは大好きなブドウを贅沢に使った「大粒シャインマスカットと旬の葡萄パフェ」(そのまんまのネーミング!)。こんなゴージャスなパフェって、なかなかお目にかかれませんよね。それにこの大きさ、写真を見ればわかるでしょ。

 というわけで、今回は札幌・小樽の歴史を辿って、いろんな建築物や動物たち、グルメやスイーツも堪能した旅。あれもこれも味わえて大満足でした。これで天気さえよかったらなぁ…。実のところ私「雨女」って言われてるんですよ。次回はそんな汚名を吹き飛ばすような雲一つない晴天で3日間を終わらせて見せるぞ! 次回は前回に引き続き春花さんの番、ということで私の登場する次々回にも期待してくださいね。(おわり)