第二章:たそがれてYOKOHAMA

山手と山下の由来

 ところで、山手の西洋館を眺めていたら、どこかで以前見たような“デジャブ感”が…。そうそう、神戸の北野異人館街に雰囲気が似ているんですね。中華街とか、海岸のショッピングモールとか、観覧車とか、タワーとか、横浜と神戸って共通点がたくさんありますよね。中学を卒業して以来ずっと宝塚だった私は、東京出身なのに横浜よりも神戸の方が馴染みがあるみたい。

 北野も山手も同じように高台で、外国人居留地の名残りを残している街なのですが、山手の場合は1859(安政6)年の横浜開港に伴い、江戸幕府が関内を居留地に指定したのが始まり。当時の関内は狭い上に湿気の多い場所だったので、堀川南側の高台の方が良いということになり、この地が選ばれたそうです。その際、関内居留地から見て山側にあることから「山手」という地名になり、関内は「山下」と呼ばれるようになったそうです。山下公園のある山下町という地名はその名残りなんですね。

 山手には領事館の他に自国民の保護を目的としたイギリス・フランス軍の駐留地もありました。港が見える丘の一帯が「フランス山」と呼ばれるのも、フランス軍の駐留地があったからなんだそうです。外国人居留地は1899(明治32)年に廃止されたのですが、西洋館の並ぶ街並みはそのままでした。

 しかし、1923(大正12)年の関東大震災で壊滅的な被害を受けたため、外国人の多くはこの地を去ってしまったのだとか。今も残る洋館のほとんどは震災以降に建てられたもので、明治時代の木造建築としてそのまま残っているのは「山手資料館」だけなのだそうです。

アラカン世代の胸キュンスポット

 ところで、山手には西洋館や外人墓地以外にも人気の観光スポットがあるのを皆さんもご存知ですか? そう『なんでも鑑定団』でお馴染みの北原照久さんが経営するレトロなおもちゃ屋さん「TOYS CLUB」です。こちらには「ブリキのおもちゃ博物館」も併設されていて、アラカン世代の方なら懐かしさに胸キュン必至のスポット。

 このお店の奥に、さらに胸キュン倍増のお店があるんです。それが「CHRISTMAS TOYS」。季節限定ではなく、一年中クリスマス用品を扱っているお店です。ホームページを拝見すると「一年中クリスマスのお店を1986年9月にオープンしました。北原を初めスタッフ一同、とにかくクリスマスが大好き、クリスマスのワクワクする気持ちがたまらなかったのです。私たちの家を飾りつけして、皆さんのお越しをお待ちしている気持ちです」という素敵な一文が…。

 日も暮れてきたので、入り口に飾られたさまざまなイルミネーションの輝きに心が踊ります。店内にお邪魔するとさらにハイテンション! 女の子なら誰でも「可愛い〜」と叫んじゃいそう。とにかく、世界中から集められたクリスマスに関するありとあらゆるグッズが所狭しと並べられています。本当に夢の世界。これなら、例え季節が真夏であってもクリスマスグッズを買い込んでしまうかも。

 お店の中なので写真撮影は控えましたが、とにかく山手に行ったら、ここは絶対外せないスポットですよ。ちなみに、スタッフさんによると以前このお店にTJというアメリカから来たゴールデンレトリバーの“看板犬”がいて、凄く人懐っこくて可愛いかったそうなのですが、お店の人に聞いたら3年前に亡くなってしまったそうです。それを聞いたスタッフさん、とても淋しそうでしたよ。

絶景を独り占め

 山手の丘陵地から降りていくと、華やかな元町の灯りが見えてきます。今回はここをスルーして(残念…)車で大さん橋に向かいます。アラカン世代の方には「メリケン波止場」の愛称で親しまれた場所。現在は大さん橋ふ頭と大さん橋国際客船ターミナルという2つの顔を持ち、豪華客船「飛鳥II」の“母港”でもあるそうです。

 外国から客船で来たお客さんは、ここで通関や手荷物検査の手続きをするんですね。だから荷物を運びやすいように、階段の代わりにスロープがあります。1階の駐車場に車を止めて2階のホールに上がる時、このスロープを登っていくのですが、まるで未来都市のような独特の雰囲気。カップルなら絶対盛り上がる場所ですね。

 ホールに上がると、クリスマスツリーがお出迎え。そこから外にでると、みなとみらいに赤レンガ倉庫、反対側なら山下公園やベイブリッジを一望できるデッキがあります。これこそ、ガイドブックの写真に出てくる港ヨコハマのイメージそのもの。平日なら観光客も少ないので、絶景を独り占めできます。夜景スポットとしてあまりにも有名な場所ですが、夕暮れ時から夜に変わる間の“マジックモーメント”も素敵ですよ。今回は寒いので屋上には行きませんでしたが、暖かい季節なら、屋上で“ハマの潮風”を感じてみるのもいいですよね。<第三章へ>